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デザインができるまで バターナイフ 001

デザインができるまで バターナイフ 001

オリジナルのバターナイフをつくろうと紙と鉛筆でスケッチをはじめました。
バターをケースからすくいとり、パンにバターを塗るというシンプルな動作を想像しながら考えるよりも先に、手が自然と動いていく時間を楽しみながら紙に映しだされていく ’かたち’ は、子供時代の手遊びのように懐かしく無邪気な時間でした。

その感覚に身体を委ねてスケッチができたのは、毎日RATTA RATTARRのアトリエでクリエイターたちの創作を目の当たりにしているからかもしれないなとふと思いました。彼らの無心に画と向き合う姿勢や種が弾けるように生み出される創造の瞬間に触れている経験の積み重ねが、自分自身の創作姿勢に少なからず影響を与えてくれたのでしょう。改めて、創作は面白さを実感した時間でした。

大まかなスケッチをした後は、オリジナルバターナイフの試作を始めます。スケッチで経験した手遊びの感覚がこぼれ落ちないように、鉛筆の代わりに刃物へともちかえます。

バターに対するバターナイフの入刀角度を想定するとある条件が導き出されます。それはとてもデザイン的なアプローチです。そのアプローチによってある条件の範囲が限定される一方で、その範囲内でできうるだけ自由に子供のように振る舞えるように自分自身をコントロールしながら木を削っていきます。考えすぎずに、感じたままに刃物を動かしていきました。

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