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デザインができるまで KOJA CAHIR 001

デザインができるまで KOJA CAHIR 001

KOJA chair 開発の話

 12年ぶりの共同開発でした。スタファン ホルムとの出会いは、大学の木工房でした。木工房にはデザインの講義はそこそこにツナギに着替え、木屑にまみれで毎日のように試作を繰り返す学生が3人いました。サミとスタファンと僕。3人が意気投合するまで、多くの時間は必要ありませんでした。新しいアイデアが生まれるとすぐに形にして、模型を見せ合う関係。スタファンと僕の共同開発はごく自然な形で始まりました。木材をワイヤーで引っ張り変形した形状を作る実験的な戯れから生まれたのがNEWTONというテーブルをデザインしたのが2009年のこと。

その後、僕が日本へ帰国してから10年以上の歳月が流れて、お互い家族ができて子供が生まれ、日本とスウェーデンを行き来きしながら友情は続いていました。

 

旭川家具組合から家具開発の依頼を受けた際に、また学生の頃のようにスタファンとデザインをしたいと思いました。スタファンを旭川に呼んでもらうこと、それから工場の一部を数日間貸してほしいという条件を承諾して頂き、デザインは始まりました。

待ち合わせの成田空港でお互いのアイデアを見せ合い、3泊4日のデザイン制作合宿が始まりました。朝から晩まで、旭川の工場を借り切ってのデザイン開発。考えたアイデアをすぐに立体にするスピーディーな制作。木を削る香りに包まれて試作を作っては訂正し、冷たい床に座り込んで、小さな部品や細かいデティールについて話し込み、食事をするのを忘れて、12年の歳月がまるでなかったように旭川の工場はスウェーデンの工房になりました。 

まるで学生の頃の工房みたいだったねと旭川を飛び立つ頃には、デザインは出来上がっていました。

 

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