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いきつけのアンティークディラーの倉庫へ行ったときのこと。
たくさんの家具に挟まれて、大きな味噌樽のような立派だけど古ぼけた桶に使い込まれた古い農具が何本もささっていました。一見してその農具を使っていた農夫たち本人が作ったであろうと思われる天然の枝ぶりをそのまま活かした牧草フォークや中には手の込んだ作りの農具もありました。
何本も枝分かれした美しい樹木の成長の跡がそのままフォークの形状になった農具は、ドアの引き手にぴったりだと思いました。一つ目のフォークは我が家の玄関のドアの引き手に、2つ目のフォークは我が家の納戸のドアの引き手になり、他の農具たちもお客様がお買い上げてくださいました。
どうして熊手が残っていたのかは定かではありませんでしたが、時々、落ち葉集めに活躍しながら所在なさげに玄関の外におさまっていたのでした。
ある雨のあがった次の日の朝。その熊手に傘がかかっていました。熊手は新しい役割を得たようで、少し誇らしげに見えました。